トランク概要
前回はアクセスポートの設定方法について紹介しましたが、今回は、スイッチ2台にまたがってのVLAN環境を構築する方法について見ていきます。
現状、下図のようなネットワーク構成になっており、「PC A」から「PC B」に通信させたいとします。
その場合、スイッチA(左側)とスイッチB(右側)で、VLAN10用の接続と、VLAN20用の接続の2つのリンクをはる必要があります。
上図のような構成を作ることで、「PC A」と「PC B」の通信、「PC 1」と「PC 2」の通信が可能になりますが、VLANごとにリンクをはるとなると、ケーブルが煩雑してしまうし、ポートの空きもなくなってしまいます。
やはり、下図のようにスイッチ間のケーブルは1本で済ませたいです。
しかしこれでは、スイッチ間で通信ができません。
なぜなら、スイッチ間で流れるフレームにVLANを識別するための情報が含まれていないからです。
ですので、例えば「PC A」から「PC B」へ通信しようとしたとき、スイッチAを通り、スイッチBにたどり着いたフレームはどちらのVLANに所属しているフレームなのか判断できないため、そのまま破棄されてしまいます。
MACアドレスにVLANを識別する情報は当然含まれていませんので、何らかの識別子をフレームに加えてやる必要があります。
その技術がトランクです。
トランクとは
トランクとは、複数のVLANトラフィックをひとつの物理リンク上で伝送する技術のことです。
Ethernet上でトランクを実現する手段として「ISL」と「IEEE802.1Q」の2種類のプロトコルが定義されています。
現在は、IEEE802標準である「IEEE802.1Q」が一般的に使用されています。
IEEE802.1Qでは、それぞれのVLANトラフィックを識別するためにフレームの内部にVLAN情報が含まれたタグと呼ばれる識別子を付加します。
そのことをタギンングと言います。
VLAN情報を含んだIEEE802.1Qフレームをスイッチ間で流すことで、複数のVLANトラフィックをひとつの物理リンク上で伝送することが可能になります。
「PC A」と「PC B」の通信、「PC 1」と「PC 2」の通信が可能。