スパニングツリープロトコル(STP)
ネットワークを設計・構築する場合、冗長化を意識しなければなりません。
「冗長」という言葉の意味を辞書で調べると、「むだが多くて長いこと。」と言った否定的な内容が書かれています。
通常の日常生活では、冗長はなくさなければなりません。
しかし、ネットワークにおいては、冗長は必要であり、とても大切な要素となってきます。
冗長化されたネットワーク
冗長化されたネットワークとは、送信先への経路が複数用意されているネットワークのことです。
上図のようにスイッチA、B間を接続するリンクを2本用意しておくことで、そのうちの1本のリンクに障害が発生しても、もう一方のリンクを通ることにより、ネットワークの接続を継続させることができます。
しかし、ただ単に、リンクを2本つなげただけだと、TTL(パケットの有効期間)のような仕組みが備わっていないレイヤー2のレベルにおいて、ブロードキャストをはじめとする全てのフレームが永遠にループし続けてしまいます。
結果、ネットワークの帯域を全て消費し、ダウンしてしまいます。
このような現象を防ぎ、冗長化構成を可能にするための仕組みがスパニングツリープロトコルです。
スパニングツリープロトコルとは
スパニングツリープロトコル(STP)は、BPDUと呼ばれる制御情報をスイッチ間でやり取りし、リンクの状態を把握します。
そして、障害が発生していない通常の状態のときは、片方のリンクを使えない状態にしておき、障害が発生したとき、もう一方の経路に切り替えます。
スパニングツリープロトコル設定
スパニングツリーはデフォルトで有効となっているため、特に設定は必要ありません。
また、IEEEで標準化されているプロトコルであるため、スパニングツリーに対応した、Cisco以外の他メーカーのスイッチとも構成できます。
スパニングツリープロトコル状態確認
スパニングツリープロトコルの状態を確認するには、show spanning-treeコマンドを使用します。
Switch-A# show spanning-tree VLAN0010 Spanning tree enabled protocol rstp Root ID Priority 32768 Address 001a.a25a.3b4b Cost 38 Port 2 (FastEthernet0/2) Hello Time 2 sec Max Age 20 sec Forward Delay 15 sec Bridge ID Priority 32778 (priority 32768 sys-id-ext 10) Address 0013.c354.8880 Hello Time 2 sec Max Age 20 sec Forward Delay 15 sec Aging Time 300 Interface Role Sts Cost Prio.Nbr Type ---------------- ---- --- --------- -------- -------------------------------- Fa0/2 Root FWD 19 128.2 P2p Fa0/12 Altn BLK 100 128.12 P2p Peer(STP)
※上記はCatalyst2950で実行した場合の出力結果です。