ダイナミックルーティング
ルータの役割は受け取ったパケットを目的のホストまで最適な経路を選択して送り届けることです。
それを可能にするために、ルータにあらかじめ送り先となるネットワークへの経路を設定しておく必要があります。
その設定を全て手作業で行うのがスタティックルーティングです。
スタティックルーティングは、構成変更がほとんどない小規模なネットワーク環境では効率的な運用が可能になります。
しかし、大企業や大学などの大規模なネットワークとなるとスタティックルーティングでは運用が非常に大変になります。
ネットワークの追加や削除、変更などが行われる度にルータの設定も変更しなければならなくなり、それだけで大変な工数がかかってしまうためです。
ではもし、ルータ同士が自動的に経路情報の交換をしてくれたらどうなるか。
運用、コスト、問題発生から改善までにかかる時間など
あらゆる面での効率が格段に上がります。
ダイナミックルーティング概要
ダイナミックルーティングは、ルーティングプロトコルのもと、ルータ同士が自動的に経路情報を交換しルーティングテーブルを作成・更新していく方法のことです。
ネットワークに変更があった場合や何らかの障害が発生した場合などもルータ同士で最新の情報を交換し合い、その時点で最適だと判断するルーティングテーブルに更新します。
それにより、ネットワーク管理者の維持・管理作業が大幅に軽減します。
しかし、情報を交換し合い、最適なルートを計算するためにルータのCPUに負荷がかかったり、情報交換のための通信によりネットワークの帯域を消費するなどのデメリットも持っています。
そのため、CPUや帯域に影響を与えないスタティックルーティングの方が適しているのか、自動化できるダイナミックルーティングの方が適しているのか、それともスタティックルーティングとダイナミックルーティングを共存させた方が良いのか、構築しようとしているネットワークの規模や用途によって十分に検討する必要がでてきます。